データ分析を実践する際に参考にしている書籍『Basketball Data Science: With Applications in R』の紹介記事も書いていますので、よろしければご確認ください。
🏀【 導入 】
NBAにおける“1年目の壁”――。毎年、期待と不安が入り混じる中でデビューするルーキーたちは、どんなスタッツを残し、どのような役割を担い、そしてどんな将来像を描いているのでしょうか。
本記事では、2024-25シーズンに1200分以上出場したルーキーを対象に、主要スタッツをバブルチャートや多次元尺度構成法(MDS)で可視化し、既存のNBA選手との類似性や“今どんなプレイヤー像なのか”をデータで読み解いていきます。
データは全てNBA公式ウェブサイトから収集し、Pbox(過去記事参照)を作成の上、統計ソフトRによってマップや各種チャートの作成を進めています。
単なる数値の羅列ではなく、「誰がどの分野で頭角を現したのか」、「なぜその個性が今のNBAで活きるのか」といった視点を重視し、各チャートの特徴やピックアップ選手の個性、そして今後の成長シナリオまで、幅広く・分かりやすく解説していきます。
“次世代NBA”の主役たちがどのようにチームにフィットし、将来どんなプレイヤーへと成長していくのか――、一緒にデータとチャートで探っていきましょう。
📊【 バブルチャートで見る主要スタッツ分布 】
NBAルーキーたちの1年目のパフォーマンスを俯瞰するために、まずはバブルチャートを使って主要スタッツの分布を可視化します。得点や守備、プラスマイナス(Plus-Minus)といった基礎指標を、リーグ平均やドラフト順位と比較することで、「今年のルーキーはどんなスキルに優れていたのか」「下位指名から抜擢された注目株は誰か」といった、数字だけでは見えにくい“特徴”を浮き彫りにしていきます。データが示すリアルな実力と、それぞれの選手が今後どのような役割を担う可能性があるのかにご注目ください。
<シュート傾向・得点力で目立つルーキーは?>
NBA2024-25シーズンのルーキーたちのパフォーマンスを比較するにあたり、今回は「1200分以上出場したルーキー」を対象に分析を行いました(※NBA公式より)。バブルチャートでは、それぞれの主要スタッツがどのように分布しているのか、そして各選手がどんな特徴を持っているのかを直感的に把握することができます。また、チャート内の実線は、全体の1試合あたりの平均値(ツーポイント成功数、スリーポイント成功数、ディフェンシブリバウンド数、ブロック数)を示しており、「リーグ内でどの位置にいるのか」を一目で判断できるようになっています(※平均値に関しては、500分以上出場した全てのプレイヤーにおける平均値を使用しています)。
下のバブルチャートでは、横軸に「ツーポイント成功数(2PM)」、縦軸に「スリーポイント成功数(3PM)」を取り、バブルの大きさで試投数を、色でフリースロー成功率を表しています。なお、プレイヤー名の隣に併記されている数字はドラフトのピック順位です(※NBA公式より)。

NBAルーキーの得点スタッツ分布(バブルチャート)
この図から分かること:
バブルの位置と大きさから、各ルーキーの得点傾向やシュート機会の多さが分かります。平均を大きく上回る上位指名の存在だけでなく、下位指名や隠れた注目株も分布から見つけることができます。
例えば、
- ザカリー・リザシェイ(1位)やアレックス・サー(2位)は、両軸でリーグ平均を大きく上回り、総合的なスコアリング能力の高さを示しています。
- ステフォン・キャッスル(4位)もツーポイントは高水準で、平均値をしっかり超えた活躍が光ります。
- 一方、ジェイレン・ウェルズ(39位)やキーショーン・ジョージ(24位)、バブ・キャリントン(14位)は、やや下位指名ながらも積極的な試投と3Pの得点力で目立っています。
<守備スタッツ・プラスマイナスから“隠れた貢献者”を探る>
もう一つのバブルチャートでは、横軸に「ディフェンシブリバウンド(DREB)」、縦軸に「ブロック(BLK)」を配置し、バブルの大きさでスティール(STL)数、色でプラスマイナス(Plus-Minus)を示しています。こちらも実線がリーグ平均値です。

NBAルーキーの守備スタッツ分布(バブルチャート)
この図から分かること:
DREBやBLKで突出する守備型ビッグマンの存在、ドラフト順位に関わらず地味ながら貢献しているプレイヤー、またプラスマイナスの色分布から「チームに与えたインパクト」の大きさも一目で把握できます。
例えば、
- ドノバン・クリンガン(7位)はディフェンス2部門(DREB/BLK)ともにリーグ平均を大きく上回り、いかにも“守備特化型ビッグマン”の典型。
- アレックス・サー(2位)、イヴ・ミッシ(21位)、ザック・イディー(9位)、ケレル・ウェア(15位)らもリムプロテクト能力が際立っています。
- 一方、キーショーン・ジョージ(24位)やジョナサン・モグボ(31位)は、DREBとBLKで平均的なスタッツを記録しながら、スティールも多い万能型といえます。
- 下位指名のバブ・キャリントン(14位)は、平均以上のディフェンシブリバウンドを記録しつつ、プラスマイナスが低め(青色)という傾向が見られます。
<平均値ラインと“下位指名ルーキー”の健闘>
今回の分析では、平均値ラインを上回る下位指名(または中位指名)のルーキーがいくつも見られ、特にケレル・ウェア(15位)やイヴ・ミッシ(21位)、ジェイレン・ウェルズ(39位)といったプレイヤーは、今後の成長枠としても注目株です。
また、守備スタッツで平均値を大きく上回ったドノバン・クリンガン(7位)やアレックス・サー(2位)は、“ドラフト上位指名=高パフォーマンスを体現していますが、一方で順位を問わず個性が際立つルーキーが多いことも、今年の特徴といえます。
まとめ:
バブルチャートによるスタッツ分布は、「今年のルーキー像」をデータから直感的に把握する上で大きな助けとなります。この分布を基に、次のセクションでは多次元尺度構成法(MDS)を用いて、各プレイヤーの“NBA内での現在地”をさらに深掘りしていきます。
🧭【 多次元尺度構成法(MDS)で「プレイヤー像」をマッピング 】
NBAのルーキーを“スタッツだけ”でなく、「どんなタイプのプレイヤーか?」という観点で理解するために、本記事では多次元尺度構成法(MDS:Multi-Dimensional Scaling)を用いてマッピングを行いました。MDSは、複数の主要スタッツ(今回はP2M, P3M, FTM, REB, AST, STL, BLKの1分あたり成績)から“選手同士の距離感”を数値化し、2次元のマップ上に配置することで、直感的に“役割”や“プレースタイル”の近さを可視化できる手法です。
<ストレス値と信頼性について>
今回のMDSマップのストレス値は16.6%(=0.166)で、「非常に良い」とまではいえませんが、クラスタ傾向や“誰と誰が似ているか”という相対的位置関係を読み取るには十分な水準です。位置の厳密な数値よりも、「傾向やまとまり」を可視化する目的で、スタッツの全体像を捉えるのに適したアプローチといえます。
<MDSマップから見えるルーキーの分布とクラスタ傾向>
次のMDSマップでは、ルーキー(赤文字)と既存プレイヤー(黒文字)を同じ空間上に配置し、「どのルーキーがどんなNBAプレイヤー像に近いか」が視覚的に理解できる構造です。なお、マップは「1200分以上出場したプレイヤー」を対象に作成しています。

全体を見ると、下記のようなクラスタ傾向が表れています。
- 左上エリア(ビッグマン型)
→ ドノバン・クリンガン(7位)、ザック・イーディ(9位)、イヴ・ミッシ(21位)、ケレル・ウェア(15位)らは、リバウンド(REB)やブロック(BLK)が高い“リムプロテクト型”のビッグマンが集中しています。既存プレイヤーではルディ・ゴベアやビクター・ウェンバンヤマに近い領域です。 - 右下エリア(PG/ガード型)
→ ステフォン・キャッスル(4位)、アイザイア・コリアー(29位)、ジャマール・シェッド(45位)などは、アシスト(AST)やスティール(STL)が比較的高い“ガード型”の特徴が強く、周囲にはクリス・ポールやマイク・コンリーなどパス中心のガードが分布しています。 - 中央〜右上(バランス/ウィング型)
→ ザカリー・リザシェイ(1位)、キーショーン・ジョージ(24位)、マタス・ブゼリス(11位)らは複数スタッツで平均的に高く、“万能型ウィング”や“オールラウンダー”に近いポジションです。
<等高線チャートで“特徴的なスタッツ分布”を補足>
さらに、以下の各スタッツ(P2M、P3M、FTM、REB、AST、STL、BLK)の等高線チャートを見ることで、MDS空間の中で「どの位置にどのスタッツが多いプレイヤーが集まるのか」が直感的に分かります。

- REB・BLKの高いエリア:左上に集中し、ビッグマン型が多い
- ASTやP3Mの高いエリア:右〜下方向に分布し、ガードやシューター型が多い
- バランス型/突出しないタイプ:やや中央寄りで複数指標が平均以上
- STLの高いエリア:右端あるいは左下に分布
- P2M・FTMの高いエリア:左下広範に分布が拡がり、ペイントエリア内を主戦場とするプレイヤーが多い
こうした等高線チャートは、単に「得点が多い」、「守備が強い」という単純比較ではなく、“NBAでのロール(役割)”や、“どの分野で特化型・万能型か”という輪郭を言葉とデータで浮かび上がらせてくれます。
<ルーキーが似ている既存プレイヤーは誰か?>
MDSマップを活用することで、「今季のルーキーの中で、このプレイヤーは誰に一番似ているのか?」を既存プレイヤーと直接比較できます。
たとえば──
- ドノバン・クリンガンはウォーカー・ケスラーやダニエル・ギャフォードに近い守備型ビッグ
- ザカリー・リザシェイはOG・アヌノビーやミケル・ブリッジズに近い万能型ウィング
- ステフォン・キャッスルはジェイレン・ブラウンやジャマール・マレーのようなバランス型ガード
といった“既存のNBA像”を重ねて可視化することで、「どんなNBAプレイヤーに成長しそうか」という将来像の議論もより現実味を持って進められます。
まとめ:
MDSマッピングと等高線チャートの活用により、単なる数値比較を超えて、「今年のルーキーはどんなNBA像を体現しているのか」をデータで浮き彫りにできます。この分析を足掛かりに、次のセクションでは“特に注目すべき10名”に絞って、その特徴・ロール・将来像を深掘りしていきます。
📚【 注目ルーキー10名の“現在地”と将来像 】
今回ピックアップした10名は、バブルチャートやMDSマップを通じて「得点力(2PM・3PM)で平均以上のアウトプットを残したウィング」、「守備(DREB・BLK)が際立つビッグマン」、「すでにPGロールを担うタイプ」など、スタッツや役割面で今季のルーキー像を象徴する存在です。多様な個性とNBAでの将来性を、具体的なデータとともに紹介していきます。
<バランス/万能型>

キーショーン・ジョージ(ドラフトピック順位24位)
- 位置・比較対象
- 八村塁、パトリック・ウィリアムズ、ジェラミ・グラントら、機動力と守備力に優れる“万能型フォワード”に近いクラスタ。
- 特徴
- 2P・3P・REB・ASTの全てがバランス良く、目立った弱点がない万能型。
- 1on1よりもチームディフェンスやオフボールムーブで持ち味を発揮し、複数ポジションを守れる守備型ウィングとしての資質が強い。
- NBAでのロール
- 守備・リバウンド・ロールプレイなど、試合展開やチーム事情に応じて柔軟に“穴埋め”できるタイプ。
- スターターのバックアップや、マルチロールのセカンドユニット要員としても重宝される。
- 将来像
- 八村塁やパトリック・ウィリアムズのように、攻守のバランス感覚を武器にスターター枠+3P成功数を活かした“3&D”ウィングを狙える存在。
- 優勝ローテやプレーオフの大舞台でも“効く”万能型フォワードへと成長が期待される。
ザカリー・リザシェイ(同1位)
- 位置・比較対象
- OG・アヌノビー、ジェラミ・グラント、ミカル・ブリッジズら“攻守万能型ウィング”に近いクラスタ。複数ポジションをこなせる現代型スイングマン。
- 特徴
- 2PM・3PMともに平均以上、REB・BLK・ASTもバランス良く、目立った弱点のない万能型
- スタッツ的にも“飛び抜けた個性”ではなく、全体的に高水準で安定感があるのが持ち味。
- NBAでのロール
- スターター級の3&Dウィングや、守備とオフェンス両面でローテーションの軸を担うタイプ。
- スイッチディフェンスやトランジション対応もこなせる、現代バスケ向きのオールラウンダー。
- 将来像
- OG・アヌノビーやミカル・ブリッジズのように、“主役”というより、優勝を狙うチームの”核”となる攻守万能型ウィングへ。
- どんなロスターにも適応し、勝てるチーム作りの中心として活躍が期待される。
アレックス・サー(同2位)
- 位置・比較対象
- ジャバリ・スミスJr.、ウェンデル・カーターJr.、ボビー・ポーティスら“ストレッチビッグ”や“万能型フォワード/センター”クラスタに近い。インサイドだけでなく外角でもプレーできる柔軟性が強み。
- 特徴
- ツーポイントだけでなくスリーポイントでも貢献でき、リバウンドやブロックもそつなくこなす現代型のビッグマン。
- スタッツの派手さよりも、ラインナップの幅やチームの守備力・スペーシング向上に貢献するタイプ。
- NBAでのロール
- ストレッチ4/5型ビッグとして、ピック&ポップやスイッチディフェンスなど多用途で起用可能。
- スターターでもセカンドユニットでも“つなぎ役”として、様々なロールをこなせる存在。
- 将来像
- ジャバリ・スミスJr.やウェンデル・カーターJr.のように、守備とストレッチ性を兼ね備えた現代型ビッグとしてチームの中核へ。
- さらにアウトサイドスキルを磨けば、優勝ローテーションの中心選手に成長する可能性も十分。
<ビッグマンタイプ>

ドノバン・クリンガン(ドラフトピック順位7位)
- 位置・比較対象
- MDS分布上で最上部に位置し、近い既存選手がほぼいない“唯一無二”の守備特化型ビッグマン。
- イメージとしてはダニエル・ギャフォードやウォーカー・ケスラーらリムプロテクター型に近いが、それ以上にブロック・リバウンドの貢献度が際立つ。
- 特徴
- ゴール下でのブロックとディフェンシブリバウンドが圧倒的で、他のルーキーや既存ビッグとも一線を画す守備型。
- オフェンス面はシンプルながら、ペイント内でのフィニッシュやセカンドチャンスポイントにも対応できる。
- NBAでのロール
- リムプロテクトに特化したセンターとして、守備の要を担うタイプ。
- スターター定着、守備専門ユニットの中核として即戦力が期待される。
- 将来像
- エリートな守備力で“守備賞レース”の常連に。
- NBAのセンター像に新風を吹き込む、次世代の守備専任ビッグマンへ成長する可能性が高い。
イヴ・ミッシ(同21位)
- 位置・比較対象
- ルディ・ゴベアやニコラス・クラクストンに近い、“モダンリムプロテクター”系のビッグマン
- 運動量と縦のサイズを兼ね備え、守備面での存在感が強い。
- 特徴
- ブロックやディフェンシブリバウンドに優れ、トランジションやピック&ロールでも速さを活かせる。
- 単なるサイズ型でなく、スイッチディフェンスやリムランなど多彩な守備ロールを担える点が特長。
- NBAでのロール
- 動けるリムプロテクターとして、ピック&ロール対応やリム周辺の守備でチームを支える。
- セカンドユニットからスターターまで、柔軟な起用が可能なタイプ。
- 将来像
- 成長次第ではゴベアやクラクストン級の守備リーダーへ。
- 現代NBAの“走れる守れるセンター”像を体現し、チームの守備中核を担う存在になることが期待される。
ザック・イディー(同9位)
- 位置・比較対象
- ニック・リチャーズやゴガ・ビターゼに近い、“伝統的ビッグマン”寄りのクラスタ。
- 圧倒的なサイズを活かし、ペイントエリアでの存在感が際立つ。
- 特徴
- ゴール下での高さを活かしたフィニッシュやオフェンスリバウンドに強み。
- リム守備(ブロック)も高く、ペイント内での守備力が光る一方、機動力やスピード面ではやや課題が残る。
- NBAでのロール
- ローポストを主戦場とするインサイド型センター。
- スターターだけでなく、セカンドユニットでの“高さのミスマッチ要員”やリバウンド強化役としても重宝される。
- 将来像
- “巨大なインサイド軸”として、ローテーションの中核やスターター枠で活躍。
- 現代NBAのスピード感には課題があるものの、高さを武器にペイント内で特化型ビッグとしての地位を築くことが期待される。
ケレル・ウェア(同15位)
- 位置・比較対象
- 前述のイヴ・ミッシと同様に、“走れるビッグマン”タイプのクラスタ。
- 機動力と長さを兼ね備え、現代的なセンター像に近い。
- 特徴
- 運動能力に優れ、ブロックやリバウンドでの貢献度が高い。
- ゴール下でのフィニッシュだけでなく、速攻にも積極的に参加できるタイプ。
- やや細身ながら、機動力を活かした守備も特徴的。
- NBAでのロール
- ピック&ロールやリムラン、スイッチディフェンスに対応可能なモダンビッグ。
- セカンドユニットやローテーションで“機動力型センター”として柔軟な起用が可能。
- 将来像
- 今後スキルを伸ばせば、スターター定着やディフェンスの中核としての成長も十分。
- “スイッチD型ローテーションセンター”として、現代NBAにフィットする存在へ。
<PGタイプ>

ステフォン・キャッスル(ドラフトピック順位4位)
- 位置・比較対象
- バランス型ガードや大型コンボガード(例:ジェイレン・ブラウン、ジャマール・マレー)に近い。現代型のサイズを活かしたPGクラスタ。
- 特徴
- スコアリングとゲームメイクを両立するオールラウンダー。
- ガードながら複数ポジションを守れるディフェンス力も高く、チームバランスを崩さない柔軟性が持ち味。
- NBAでのロール
- 得点型・パス型どちらにも対応できるバランス型PG。
- スイッチディフェンスや複数ガード併用システムにも適応できるため、ローテーションの中核として起用しやすい。
- 将来像
- 攻守にバランスの取れた主力PGとして成長が期待される。
- 状況次第ではエースガード格への飛躍も。
アイザイア・コリアー(同29位)
- 位置・比較対象
- アンソニー・エドワーズやドノバン・ミッチェルら“得点力特化型ガード”タイプの近く。
- 特徴
- 高い得点能力、特にドライブ力や1on1での強さが目立つ。
- クリエイターとしての素養も見せるが、現状は“得点重視”寄りのスコアリング型。
- NBAでのロール
- シックスマンやセカンドユニットの得点源として起用されやすい。
- 攻撃の起点役としてチームに勢いを与える存在。
- 将来像
- スコアリング型PGとして、爆発力あるクラッチシューター。
- シックスマン賞候補やセカンドユニットのエース格へと成長が期待される。
ジャマール・シェッド(同45位)
- 位置・比較対象
- マイク・コンリーやクリス・ポールら伝統的な“パス優先型PG”のクラスタに近い。
- 特徴
- 判断力・パス精度が高く、堅実なゲームコントローラー。
- アシストとディフェンスで流れを作り、ミスの少ないプレイが特長。
- NBAでのロール
- セカンドユニットのセットアップPGや、堅実型バックアップPGとしてチームバランスを整える役割。
- リーダーシップや安定感を武器に、プレイオフチームでも重宝される。
- 将来像
- コンリーやクリス・ポールのような“玄人好みPG”として、長期にわたりチームに貢献。
- 試合展開を落ち着かせるベテランPG像が期待される。
🔚【 おわりに 】
今回は、2024-25シーズンのNBAルーキーたちを、データとチャートを駆使して多角的に分析してきました。今年は特に、2PMや3PMでリーグ平均を上回るスコアラー型ウィング、DREBやBLKに優れる守備型ビッグマン、そしてすでに主導権を担うPGタイプなど、多様な個性と強みを持ったルーキーたちが印象的でした。
バブルチャートやMDSマップを通じて見えてきたのは、「ドラフト順位やポジションに関係なく、“自分の武器”をNBAレベルでしっかり発揮している」点です。特に、守備やリバウンド、スリーポイントなど、現代バスケットボールで重要視される役割に応じて、ルーキーたちが“専門性”や“万能性”を発揮していることが、数字からも読み取れました。
今回ピックアップした10名は、スタッツの傾向や役割面で今季ルーキーを象徴する存在です。それぞれが「どんなNBA像に近いか」、「どのようなロールを担いそうか」――という視点を持つことで、データの奥にある成長の物語やチーム戦術の変化も見えてきます。
今後は、ここで紹介したルーキーたちがどんな成長曲線を描き、チーム内でどのような立ち位置を確立していくのか――その変化にも注目していきたいと思います。引き続き、データとチャートを活用した視点で、“次世代NBA”の主役たちを追いかけていきましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは、今回のトラッシュトークは以上です。
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「2024 – 25NBAルーキー徹底分析」をテーマに、この記事の内容をもとにした動画をYouTubeで公開しています。
※次ページは、分析を実行するための統計ソフトRのコマンドを記載しています。