今回は、2024/4/8時点のNBA全30チームのスタッツをベースに、PACE、Ratings、Four Factors(eFG%、TO Ratio、REB%、FT Rate)を使用した散布図の作成を行っていきます。(※先週4/1時点の散布図は過去記事をご確認ください。)
データは全てNBA公式ウェブサイトから収集し、Tbox、OboxおよびTadd(過去記事参照)を作成の上、統計ソフトRにより散布図を作成しています。
なお、散布図を作成の際にはプレーオフ進出圏内(1位~6位)、プレーイン進出圏内(7位~10位)、それら以外(11位~15位)でチームを色分けしており、それらの区分は下記に示す2024/4/8時点の順位表をもとに判断しています。
それでは、PACE、Ratings、Four Factorsの順に散布図を示していきます。
※データ分析を実践する際に参考にしている書籍『Basketball Data Science: With Applications in R』の紹介記事も書いていますので、よろしければご確認ください。
PACEの散布図<NBA2023-24レギュラー・シーズン ※2024/4/8時点>
2024/4/8時点のPACEの散布図は、下記のとおりです。(※PACEの内容については、過去記事を参照ください。)
上記の散布図内では、プレーオフ進出圏内(1位~6位)のチームは青色、プレーイン進出圏内(7位~10位)のチームは緑色、それ以外のチーム(11位~15位)は赤色でそれぞれ示されています。(※後述の散布図に関しても同様です。)
また、散布図内の各エリアに関しては、下記の特徴を持つチームが属することになります。
- 左下エリア周辺:試合の展開やテンポがゆっくりしているチーム
- 右上エリア周辺:試合の展開やテンポが早いチーム
上記の散布図を先週4/1時点の散布図と比較すると、ニューオーリンズ・ペリカンズ(ウェスト7位)とフェニックス・サンズ(ウェスト6位)に関して順位変動によるプレーオフ・プレーイン進出圏内の変化が見られるものの、チーム自体のPACEの数値に大きな変化は見られません。
先週4/1時点と同様に、試合テンポが早いチームはワシントン・ウィザーズ(イースト14位)とインディアナ・ペイサーズ(イースト6位)、試合テンポが遅いチームはニューヨーク・ニックス(イースト4位)、シカゴ・ブルズ(イースト9位)、マイアミ・ヒート(イースト8位)であることが分かります。
なお、上記の散布図を出力するための統計ソフトRのコマンドは、後述を参照ください。
ORtg、DRtgの散布図<NBA2023-24レギュラー・シーズン ※2024/4/8時点>
2024/4/8時点のORtgとDRtgの散布図は、下記のとおりです。(※ORtgとDRtgの内容については、過去記事を参照ください。)
上記の散布図内の各エリアに関しては、下記の特徴を持つチームが属することになります。
- 左下エリア:ディフェンス効率性は高いが、オフェンス効率性が低い
- 右下エリア:オフェンス効率性、ディフェンス効率性がともに高い
- 右上エリア: オフェンス効率性は高いが、ディフェンス効率性が低い
- 左上エリア:オフェンス効率性、ディフェンス効率性がともに低い
傾向としては先週4/1時点の散布図とほぼ変わらず、プレーオフとプレーイン進出圏内のチームは右側のエリアに位置している一方で、両カンファレンス下位(11位~15位)のチームは左側のエリアにそれぞれ位置していますが、その中でも先週4/1時点でプレーイン進出の可能性が残っていたブルックリン・ネッツ(イースト11位)とヒューストン・ロケッツ(ウェスト11位)については、プレーオフ・プレーイン進出圏内のチームと比較的近い位置関係にあることが分かります。
また、ボストン・セルティックス(イースト1位)はオフェンス効率性とディフェンス効率性がともに高く、ミネソタ・ティンバーウルブズ(ウェスト1位)はリーグトップのディフェンス効率性を有していることも読み取れます。
なお、上記の散布図を出力するための統計ソフトRのコマンドは、後述を参照ください。
eFG%の散布図<NBA2023-24レギュラー・シーズン ※2024/4/8時点>
2024/4/8時点のeFG%の散布図は、下記のとおりです。(※eFG%の内容については、過去記事を参照ください。)
上記の散布図内の各エリアに関しては、下記の特徴を持つチームが配置されることになります。
- 左下エリア:自チームのフィールドショット精度、対戦チームのフィールドショット精度がともに低い
- 右下エリア:自チームのフィールドショット精度が高く、対戦チームのフィールドショット精度は低い
- 右上エリア:自チームのフィールドショット精度、対戦チームのフィールドショット精度がともに高い
- 左上エリア:自チームのフィールドショット精度が低く、対戦チームのフィールドショット精度は高い
傾向としては先週4/1時点の散布図とほぼ変わらず、右側のエリアにプレーオフとプレーイン進出圏内のチームが偏っていることが読み取れますが、イーストの複数チーム(アトランタ・ホークス、シカゴ・ブルズ、フィラデルフィア・76ers、マイアミ・ヒート、ニューヨーク・ニックス)に関しては、プレーオフ・プレーイン進出圏内であっても両カンファレンスの下位チームと比較的近い位置関係にあることが分かります。
また、先週4/1時点から引き続きボストン・セルティックス(イースト1位)については、自チームのフィールドショットで高い精度を見せる一方、対戦チームのフィールドショット精度を低く抑えていることも読み取れます。
なお、上記の散布図を出力するための統計ソフトRのコマンドは、後述を参照ください。
TO Ratioの散布図<NBA2023-24レギュラー・シーズン ※2024/4/8時点>
2024/4/8時点のTO Ratioの散布図は、下記のとおりです。(※TO Ratioの内容については、過去記事を参照ください。)
散布図内の各エリアに関しては、下記の特徴を持つチームが配置されることになります。
- 左下エリア:自チームのターンオーバー率、対戦チームのターンオーバー率がともに低い
- 右下エリア:自チームのターンオーバー率は高いが、対戦チームのターンオーバー率は低い
- 右上エリア:自チームのターンオーバー率、対戦チームのターンオーバー率がともに高い
- 左上エリア:自チームのターンオーバー率は低く、対戦チームのターンオーバー率が高い
傾向としては先週4/1時点の散布図とほぼ変わらず、自チームのターンオーバーの頻度が少なく、対戦チームのターンオーバーの頻度が多いチームとしてオクラホマシティ・サンダー(ウェスト3位)とフィラデルフィア・76ers(イースト7位)が該当する一方で、自チームのターンオーバーの頻度が多く、対戦チームのターンオーバーの頻度が少ないチームとしてデトロイト・ピストンズ(イースト15位)、ユタ・ジャズ(ウェスト12位)、フェニックス・サンズ(ウェスト6位)が該当することが分かります。
なお、上記の散布図を出力するための統計ソフトRのコマンドは、後述を参照ください。
REB%の散布図<NBA2023-24レギュラー・シーズン ※2024/4/8時点>
2024/4/8時点のREB%の散布図は、下記のとおりです。(※REB%の内容については、過去記事を参照ください。)
上記の散布図内の各エリアに関しては、下記の特徴を持つチームが属することになります。
- 左下エリア:オフェンスリバウンド率、ディフェンスリバウンド率がともに低い
- 右下エリア:オフェンスリバウンド率は高いが、ディフェンスリバウンド率は低い
- 右上エリア:オフェンスリバウンド率、ディフェンスリバウンド率がともに高い
- 左上エリア:オフェンスリバウンド率は低いが、ディフェンスリバウンド率は高い
傾向としては先週4/1時点の散布図とほぼ変わらず、平均リバウンド数でリーグトップのドマンタス・サボニスを擁するサクラメント・キングス(ウェスト8位)がリーグトップのディフェンスリバウンド率をマークしている一方で、ワシントン・ウィザーズ(イースト14位)とオクラホマシティ・サンダー(ウェスト3位)に関しては、オフェンスリバウンド率とディフェンスリバウンド率の両方で低い水準を示していることが読み取れます。
なお、上記の散布図を出力するための統計ソフトRのコマンドは、後述を参照ください。
FT Rateの散布図<NBA2023-24レギュラー・シーズン ※2024/4/8時点>
2024/4/8時点のFT Rateの散布図は、下記のとおりです。(※FT Rateの内容については、過去記事を参照ください。)
上記の散布図内の各エリアに関しては、下記の特徴を持つチームが属することになります。
- 左下エリア:自チームのフリースロー成功率、対戦チームのフリースロー成功率がともに低い
- 右下エリア:自チームのフリースロー成功率が高く、対戦チームのフリースロー成功率は低い
- 右上エリア:自チームのフリースロー成功率、対戦チームのフリースロー成功率がともに高い
- 左上エリア:自チームのフリースロー成功率が低く、対戦チームのフリースロー成功率は高い
上記の散布図を先週4/1時点の散布図と比較すると、ブルックリン・ネッツ(イースト11位)の対戦チームのフリースロー成功率が小さく変動(4/1時点では平均を上回っていたが、今回は平均値と同程度の水準となっている。)していることが分かりますが、その点を除けば先週4/1時点の散布図と同様の傾向を読み取ることが出来ます。
フィールドゴール試投数に占めるフリースロー成功数の割合が高いチームとして、フィラデルフィア・76ers(イースト7位)とフェニックス・サンズ(ウェスト6位)、オーランド・マジック(イースト3位)が挙げられ、反対に同割合が低いチームとしてはシャーロット・ホーネッツ(イースト13位)を挙げることが出来ます。
なお、上記の散布図を出力するための統計ソフトRのコマンドは、後述を参照ください。
※参考<統計ソフトRに入力するコマンド>
※各散布図の作成に関しては過去記事でも扱っていますので、よろしければご参考ください。
PACEの散布図
> library(BasketballAnalyzeR)
> Tbox2324 <- read.csv(file="Tbox_20240408.csv")
> Obox2324 <- read.csv(file="Obox_20240408.csv")
> Tadd2324 <- read.csv(file="Tadd_20240408.csv")
> fourfactors2324 <- fourfactors(Tbox2324, Obox2324)
> Playoff <- Tadd2324$Playoff
> fourfactors2324 <- data.frame(fourfactors2324, Playoff)
> ggplot(data=fourfactors2324, aes(x=PACE.Off, y=PACE.Def, color = Playoff, label=Team)) +
+ geom_point() +
+ ggrepel::geom_text_repel(aes(label = Team))+
+ geom_vline(xintercept =mean(fourfactors2324$PACE.Off))+
+ geom_hline(yintercept =mean(fourfactors2324$PACE.Def))+
+ labs(title = "PACE (as of 20240408)")+
+ labs(x = "Pace (Possessions per minute) of the Team") +
+ labs(y = "Pace (Possessions per minute) of the Opponents")
ORtg、DRtgの散布図
> ggplot(data=fourfactors2324, aes(x=ORtg, y=DRtg, color = Playoff, label=Team)) +
+ geom_point() +
+ ggrepel::geom_text_repel(aes(label = Team))+
+ geom_vline(xintercept =mean(fourfactors2324$ORtg))+
+ geom_hline(yintercept =mean(fourfactors2324$DRtg))+
+ labs(title = "ORtg and DRtg (as of 20240408)")+
+ labs(x = "Offensive Rating of the Team (ORtg)") +
+ labs(y = "Offensive Rating of the Opponents (DRtg)")
eFG%の散布図
> ggplot(data=fourfactors2324, aes(x=F1.Off, y=F1.Def, color = Playoff, label=Team)) +
+ geom_point() +
+ ggrepel::geom_text_repel(aes(label = Team))+
+ geom_vline(xintercept =mean(fourfactors2324$F1.Off))+
+ geom_hline(yintercept =mean(fourfactors2324$F1.Def))+
+ labs(title = "Factor 1:eFG% (as of 20240408)")+
+ labs(x = "eFG% (Offense)") +
+ labs(y = "eFG% (Defense)")
TO Ratioの散布図
> ggplot(data=fourfactors2324, aes(x=F2.Off, y=F2.Def, color = Playoff, label=Team)) +
+ geom_point() +
+ ggrepel::geom_text_repel(aes(label = Team))+
+ geom_vline(xintercept =mean(fourfactors2324$F2.Off))+
+ geom_hline(yintercept =mean(fourfactors2324$F2.Def))+
+ labs(title = "Factor 2:TO Ratio (as of 20240408)")+
+ labs(x = "TO Ratio (Offense)") +
+ labs(y = "TO Ratio (Defense)")
REB%の散布図
> ggplot(data=fourfactors2324, aes(x=F3.Off, y=F3.Def, color = Playoff, label=Team)) +
+ geom_point() +
+ ggrepel::geom_text_repel(aes(label = Team))+
+ geom_vline(xintercept =mean(fourfactors2324$F3.Off))+
+ geom_hline(yintercept =mean(fourfactors2324$F3.Def))+
+ labs(title = "Factor 3:REB% (as of 20240408)")+
+ labs(x = "REB% (Offense)") +
+ labs(y = "REB% (Defense)")
FT Rateの散布図
> ggplot(data=fourfactors2324, aes(x=F4.Off, y=F4.Def, color = Playoff, label=Team)) +
+ geom_point() +
+ ggrepel::geom_text_repel(aes(label = Team))+
+ geom_vline(xintercept =mean(fourfactors2324$F4.Off))+
+ geom_hline(yintercept =mean(fourfactors2324$F4.Def))+
+ labs(title = "Factor 4:FT Rate (as of 20240408)")+
+ labs(x = "FT Rate (Offense)") +
+ labs(y = "FT Rate (Defense)")
それでは、今回のトラッシュトークは以上です。
※データ分析を実践する際に参考にしている書籍『Basketball Data Science: With Applications in R』の紹介記事はこちらからご確認ください。