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【バブルチャートを使ってNBA各チームの特徴を捉えよう】2022-23シーズンのイースタン・カンファレンス・ファイナル進出チーム、ボストン・セルティックスとマイアミ・ヒートに焦点をあてる

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今回は、オフェンスとディフェンスの各種スタッツを使って、統計ソフトRによるバブルチャートの作成方法を紹介していきます。

今回使用するデータは、2022–23レギュラーシーズンのTboxとPbox(過去記事参照)となります。

まずは、NBA全30チームの2022–23レギュラーシーズンのバブルチャートを確認していきたいと思います。

※データ分析を実践する際に参考にしている書籍『Basketball Data Science: With Applications in R』の紹介記事も書きましたので、よろしければご確認ください。

NBA全30チームをバブルチャートで表示

オフェンス関連のスタッツとディフェンス関連のスタッツを使ってバブルチャートを作成していきます。

オフェンス関連スタッツのバブルチャート<セルティックスとウォリアーズが好スタッツ>

オフェンス関連のスタッツで作成したバブルチャートは下記のとおりです。

横軸は2Pシュート成功率(P2p)、縦軸は3Pシュート成功率(P3p)を表しています。

バブルの円の色はフリースロー成功率(FTp)の程度を表しており、赤色は成功率が高く、紫色は成功率が低いことを示します。

また、バブルの円の大きさはシュート試投数(2Pシュート試投数、3Pシュート試投数、フリースロー試投数の合計数)を示しています。

なお、この円の大きさは、各チームのシュート試投数の最小本数を0、最大本数を100としてそれぞれ置き換えられたものが表示されています。

上記のバブルチャートを確認してみると、ボストン・セルティックス、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、サクラメント・キングスに関しては、2Pシュート成功率と3Pシュート成功率がともに平均値よりも高く、さらにフリースロー成功率も高水準であることが分かります。

セルティックスとウォリアーズに関して円の大きさに着目すると、この2チームについてはシュート試投数も比較的少ないことが見て取れます。

フィラデルフィア・76ersに関しては、2Pシュート成功率は平均をやや超える水準ですが、3Pシュート成功率はウォリアーズを超えて最も高い水準であり、さらに、フリースロー成功率も高水準であることがわかります。

デンバー・ナゲッツとダラス・マーベリックスに関しては、シュート試投数が比較的少なく、2Pシュート成功率と3Pシュート成功率がともに平均値よりも高水準ですが、フリースロー成功率が低いことが分かります。

一方、2Pシュート成功率と3Pシュート成功率がともに平均の水準を下回る左下のエリアに注目すると、シュート試投数が比較的多く、フリースロー成功率が低いチームが固まっている傾向があります。

ですが、そのエリアの中でもマイアミ・ヒートは例外的にシュート試投数が少なく、フリースロー成功率が高水準であることが分かります。

なお、上記のバブルチャートを出力するためのコマンドは下記のとおりです。

> Tbox2223 <- read.csv(file="Tbox_2223.csv") #Tbox2223のデータを読み込む
> attach(Tbox2223) #attach関数でTbox2223を指定
> X <- data.frame(T=Team, P2p, P3p, FTp, AS=P2A+P3A+FTA) #各スタッツの数値をdata.frame関数でまとめてXに格納
> detach(Tbox2223) #detach関数でTbox2223を指定から外す
> labs1 <- c("2-point shots (% made)", "3-point shots (% made)", "free throws (% made)", "Total shots attempted") #バブルチャートで表示させる変数のラベルをlabs1へ格納
> bubbleplot(X, id="T", x="P2p", y="P3p", col="FTp", size="AS", labels=labs1, title="2022-23 Regular season", text.size=3.5) # bubbleplot関数を使ってバブルチャートを出力

続いて、ディフェンス関連のスタッツで作成したバブルチャートを確認していきます。

ディフェンス関連スタッツのバブルチャート<グリズリーズが好スタッツ>

ディフェンス関連のスタッツで作成したバブルチャートは下記のとおりです。

横軸はディフェンスリバウンド数(DREB)、縦軸はブロック数(BLK)を表しています。

バブルの円の色はプラスマイナス(PM)※1の水準を表しており、赤色は得失点差のプラスが大きく、紫色は得失点差のマイナスが大きいことを示します。(※1 ここではそのチームのシーズンを通しての得失点差としています。一般的には、特定の選手につき、その選手が出場していた時間帯のチーム全体の得失点差をいいます。)

また、バブルの円の大きさはスティール数を示しており、上記の数値についてはすべて1MINあたりの数値に変換したものを使用しています。

上記のバブルチャートを確認すると、メンフィス・グリズリーズのディフェンスリバウンド数、ブロック数、スティール数が多く、プラスマイナスもプラスとなっていることが分かります。

セルティックスとミルウォーキー・バックスに関しても、スティール数は少ないものの、ディフェンスリバウンド数とブロック数の水準が比較的高く、プラスマイナスもプラスとなっています。

一方、デトロイト・ピストンズとサンアントニオ・スパーズに関しては、ディフェンスリバウンド数とブロック数がともに平均以下の水準であり、スティール数も比較的少なく、さらに、プラスマイナスもマイナスとなっていることが分かります。

ダラス・マーベリックスとヒートについては、ディフェンスリバウンド数とブロック数がともに平均以下の水準で、プラスマイナスも平均並みではありますが、マーベリックスのスティール数が少ない一方で、ヒートのほうはスティール数が比較的多くなっています。

なお、上記のバブルチャートを出力するためのコマンドは下記のとおりです。

> attach(Tbox2223)
> Y <- data.frame(T=Team, DREB=DREB/MIN, STL=STL/MIN, BLK=BLK/MIN, PM=PM/MIN) #各スタッツのMINあたりの数値をdata.frame関数でまとめてYに格納
> detach(Tbox2223)
> labs2 <- c("Defensive Rebounds", "Blocks", "Plus-Minus", "Steals")
> bubbleplot(Y, id="T", x="DREB", y="BLK", col="PM", size="STL", labels=labs2, title="2022-23 Regular season", text.size=3.5)

上記の2つのバブルチャートを確認すると、イースタン・カンファレンス・ファイナルを戦ったセルティックスとヒートが対極的な位置にいることが分かります。

この対極的な2チームを比較するために、次はこの2チームに焦点をあててバブルチャートを作成したいと思います。

セルティックスとヒートのバブルチャートを表示

ここでもオフェンス関連のスタッツとディフェンス関連のスタッツを使って、バブルチャートを作成していきます。

オフェンス関連スタッツのバブルチャート<シュート成功率で有利なのはセルティックス>

セルティックスとヒートに関して、オフェンス関連のスタッツで作成したバブルチャートは下記のとおりです。(※チャート内で表示されている平均を表す2つ直線は、2チーム間の平均を表しています。)

セルティックスのプレイヤーは赤色、マイアミ・ヒートのプレイヤーは水色で表示されています。

上記のバブルチャートを確認すると、セルティックスのプレイヤーは3Pシュート成功率が平均値以上の上部分のエリアに主に散らばっていることが分かります。

一方、ヒートのプレイヤーは2Pシュート成功率が平均以下で、3Pシュート成功率が平均値付近の左上のエリアに固まっていることが傾向として読み取れます。

セルティックスについては、2Pシュート成功率と3Pシュート成功率がともに高いプレイヤーとしてサム・ハウザーが該当しています。

また、2Pシュート成功率は平均値以下となりますが、アル・ホーフォードとマルコム・ブログドンも高い3Pシュート成功率を残しています。

ヒートに関しては、バム・アデバヨの3Pシュート成功率の低さが目立ちます。

ですが、この点に関しては、アデバヨの2022-23レギュラーシーズンを通しての3Pシュート試投数は12本であり、この本数はチーム全体の本数(2,852本)からみてもわずかであるため、チーム全体の3Pシュート成功率に与える影響は小さいと思われます。

なお、セルティックスのロバート・ウィリアムズⅢの3Pシュート成功率の低さについても、同様のことが言えます。(2022-23レギュラーシーズンを通しての3Pシュート試投数は1本のみ。)

なお、上記のバブルチャートを出力するためのコマンドは下記のとおりです。

> Pbox2223BOSMIA <- subset(Pbox2223, (Team=="Miami Heat" | Team=="Boston Celtics") & MIN>=500) # Miami Heat とBoston Celtics の中でMIN500以上のプレイヤーを抽出
> attach(Pbox2223BOSMIA)
> XBM <- data.frame(ID=Player, Team, P2p, P3p, FTp, AS=P2A+P3A+FTA)
> detach(Pbox2223BOSMIA)
> labs <- c("2-point shots (% made)", "3-point shots (% made)", "free throws (% made)", "Total shots attempted")
> bubbleplot(XBM, id="ID", x="P2p", y="P3p", col="FTp", size="AS", text.col="Team", labels=labs, title="BOS and MIA during the 2022-23 Regular season", text.size=3.5)

続いて、ディフェンス関連のスタッツで作成したバブルチャートを確認していきます。

ディフェンス関連スタッツのバブルチャート<ヒートは比較的スティールが多い>

セルティックスとヒートに関して、ディフェンス関連のスタッツで作成したバブルチャートは下記のとおりです。

セルティックスは、ロバート・ウィリアムズⅢのディフェンスリバウンド数とブロック数がともに高い水準で、プラスマイナスもプラスとなっています。

また、アル・ホーフォードとマイク・マスカラの2人に関しても、スティール数こそ少ないものの、ディフェンスリバウンド数とブロック数は平均値以上あり、プラスマイナスもプラスとなっています。

一方、ヒートに関しては、ディフェンスリバウンド数とブロック数がともに平均以下の水準である左下のエリア付近にプレイヤーが集中していることが読み取れます。

ですが、比較的スティール数が多い傾向が見られ、ジミー・バトラーとビクター・オラディポの2人のスティール数が高水準であることが分かります。

また、ケビン・ラブはディフェンスリバウンド数の水準が高く、アデバヨはディフェンスリバウンド数とブロック数で平均以上の水準を示しています。

ディフェンス面でスティール数が多いヒートの中にいて、この2人の高さによるチーム内での存在感を読み取ることができます。

なお、上記のバブルチャートを出力するためのコマンドは下記のとおりです。

> attach(Pbox2223BOSMIA)
> YBM <- data.frame(ID=Player, Team, DREB=DREB/MIN, STL=STL/MIN, BLK=BLK/MIN, PM=PM/MIN)
> detach(Pbox2223BOSMIA)
> labs2 <- c("Defensive Rebounds", "Blocks", "Plus-Minus", "Steals")
> bubbleplot(YBM, id="ID", x="DREB", y="BLK", col="PM", size="STL", text.col="Team", labels=labs2, title="BOS and MIA during the 2022-23 Regular season", text.size=3.5)

おわりに

今回は、バブルチャートを使って、オフェンス面とディフェンス面の2つの側面からチームとプレイヤーの特徴をみていきました。

シュート試投数やシュート成功率の差異、ブロックやディフェンスリバウンドが多いのか、またはスティールが多いのかなど、チームごとの攻守の特徴をおおまかに捉えることができました。

今回は、セルティックスとヒートに焦点をあてたうえで、チーム内で各プレイヤーがどのような役割を担っているかが視覚的にもわかりやすくなったと思います。

なお、本記事は、記事の最後に紹介している書籍を参考にして作成しています。

それでは、今回のトラッシュトークは以上です。

【参考書籍】

Paola Zuccolotto and Marica Manisera (2020), Basketball Data Science – with Applications in R. Chapman and Hall/CRC. ISBN 9781138600799.
※本書籍の紹介記事を書いていますので、よろしければご参考ください。

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