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【棒グラフと折れ線グラフを使って獲得点数とアシスト数の傾向を確認しよう】2022-23シーズンの獲得点数リーグトップはサクラメント・キングスだがアシストは?

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今回は、獲得点数とアシスト数を使って、統計ソフトRによる棒グラフと折れ線グラフの作成方法を紹介していきたいと思います。

データは、2022–23レギュラーシーズンのデータ(Tbox、Tadd、Pbox)を使用していきます。

まずは、シュート種類別の獲得点数の構成とアシスト数の関係をカンファレンス別に確認していきます。

※データ分析を実践する際に参考にしている書籍『Basketball Data Science: With Applications in R』の紹介記事も書きましたので、よろしければご確認ください。

シュート種類別の獲得点数の構成とアシスト数の関係

イースタン・カンファレンス<トップはアトランタ・ホークス>

まずは、イースタン・カンファレンスのグラフを示します。

棒グラフは獲得点数をシュート種類別(2Pシュート、3Pシュート、フリースロー)に積み上げ、折れ線グラフはアシスト数を表しています。

左軸は獲得点数、右軸はアシスト数の数値を表示し、獲得点数の多いチームを左から順番に並べています。

上記のグラフを確認すると、以下の理由により獲得点数とアシスト数に関連性はあまり無いように見えます。

  • 獲得点数1位のチームが、必ずしもアシスト数1位というわけではない。(獲得点数1位のアトランタ・ホークス のアシスト数が2,049本であるのに対して、獲得点数4位のインディアナ・ペイサーズのアシスト数が最も多い2,213本となっている。)
  • その逆も同様で、獲得点数最下位のチームが、アシスト数も最下位というわけではない。(獲得点数最下位のマイアミ・ヒートのアシスト数が1,955本であるのに対して、獲得点数5位のニューヨーク・ニックスのアシスト数が最下位の1,880本となっている。)
  • アシスト数が同水準であっても、獲得点数のほうは大きく違う場合がある。(アトランタ・ホークスはアシスト数2,049本に対して獲得点数は9,711点である一方で、シャーロット・ホーネッツはアシスト数2,062本に対して獲得点数は9,098点となっている。)

また、獲得点数の構成を種類別に確認すると、ボストン・セルティックスとミルウォーキー・バックスに関しては、3Pシュートによる得点が比較的多いことがわかります。

なお、グラフを出力するためのコマンドは下記の通りです。

> Y <- data.frame(Tbox2223, P2P=(Tbox2223$P2M)*2, P3P=(Tbox2223$P3M)*3, FTP=Tbox2223$FTM, CONF=Tadd2223$Conference) #data. FrameでTboxにシュート種別得点数とカンファレンス情報を追加
> YE <- subset(Y, CONF=="E") #YからEastern Conferenceのチームを集計
> barline(data=YE, id="Team", bars=c("P2P","P3P","FTP"), line="AST", order.by="PTS", labels.bars=c("P2 Point","P3 Point","FT Point"), label.line="AST", title="獲得点数の構成: Eastern Conference") #棒グラフと折れ線グラフを作成するコマンド

また、データフレームYの出力は下記のとおりです。

ウェスタン・カンファレンス<トップはサクラメント・キングス>

続いて、ウェスタン・カンファレンスのグラフを示します。

イースタン・カンファレンスと同様に、以下の理由により獲得点数とアシスト数に関連性はあまり無いように見えます。

  • 獲得点数1位のチームが、必ずしもアシスト数1位というわけではない。(獲得点数1位のサクラメント・キングスのアシスト数が2,237本であるのに対して、獲得点数2位のゴールデンステイト・ウォリアーズのアシスト数が最も多い2,446本(※リーグトップ)となっている。なお、ウェスタン・カンファレンスでは、獲得点数最下位とアシスト数最下位はともにヒューストン・ロケッツで一致している。)
  • アシスト数が同水準であっても、獲得点数のほうは大きく違う場合がある。(サクラメント・キングスはアシスト数2,237本に対して獲得点数は9,898点である一方で、サンアントニオ・スパーズはアシスト数2,232本に対して獲得点数は9,269点となっている。さらに、オクラホマシティ・サンダーはアシスト数2,002本に対して獲得点数は9,633点である一方で、ポートランド・トレイルブレイザーズはアシスト数1,981本に対して獲得点数は9,299点となっている。)

また、獲得点数の構成を種類別に確認すると、ゴールデンステイト・ウォリアーズとダラス・マーベリックスに関しては、3Pシュートによる得点が比較的多いことがわかります。

なお、グラフを出力するためのコマンドは下記の通りです。

> YW <- subset(Y, CONF=="W")
> barline(data=YW, id="Team", bars=c("P2P","P3P","FTP"), line="AST", order.by="PTS", labels.bars=c("P2 Point","P3 Point","FT Point"), label.line="AST", title="獲得点数の構成: Western Conference")

イースタン・カンファレンスとウェスタン・カンファレンスのグラフを比較したところ、ボストン・セルティックス、ミルウォーキー・バックス、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ダラス・マーベリックスの4チームの共通点と相違点が気になりました。

共通点は3Pシュートによる得点が比較的多いこと、一方、相違点はダラス・マーベリックスの獲得点数とアシスト数が他の3チームに比べて少ないということです。

3Pシュートによる得点が比較的多いチームに限れば、獲得点数とアシスト数に何らかの関連性があると思われます。

上記4チームの状況を確認するため、次はこの4チームに関してプレイヤーごとのスタッツを確認したいと思います。

プレイヤー別で見るシュート成功数とアシスト数の関係

ここでは、棒グラフはシュート成功数をシュート種類別(2Pシュート、3Pシュート、フリースロー)で積み上げ、折れ線グラフはアシスト数を表しています。

左軸はシュート成功数、右軸はアシスト数の数値を表示し、出場時間の多いプレイヤーを左から順番に並べています。(出場時間500MIN以上のプレイヤーに限定しています。)

それでは各チームのグラフを順番に見ていきます。

ボストン・セルティックス

グラフの出力は下記のようになります。

上記のグラフから、おおまかには下記の点が読み取れるかと思います。

  • ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンは、シュート成功数とアシスト数の両方で貢献している。
  • デリック・ホワイトとマーカス・スマートは、アシスト数での貢献が大きく、アシストに特化している傾向がある。
  • マルコム・ブログドンは上記4名と比べて出場時間は少ないが、アシスト数で貢献している。

なお、グラフを出力するためのコマンドは下記の通りです。

> Pbox2223.BOS <- subset(Pbox2223, Team=="Boston Celtics" & MIN>=500) #Pbox2223からBOSかつMIN500以上を抽出
> barline(data=Pbox2223.BOS, id="Player", bars=c("P2M","P3M","FTM"), line="AST", order.by="MIN", labels.bars=c("P2 Made","P3 Made","FT Made"), title="出場時間順のシュート成功数とアシスト数: Boston Celtics")

データセットPbox2223.BOSの出力は下記の通りです。

ミルウォーキー・バックス

グラフの出力は下記のようになります。

上記のグラフから、おおまかには下記の点が読み取れるかと思います。

  • ヤニス・アデトクンボは、シュート成功数とアシスト数の両方で貢献している。
  • ドリュー・ホリデーは、アシスト数での貢献が大きく、アシストに特化している傾向がある。
  • ブルック・ロペスは、3Pシュート成功数で貢献している。(※ ブルック・ロペスは2022-23シーズンの最優秀守備選手2位のためディフェンス面での貢献が大きいプレイヤーです。)

なお、グラフを出力するためのコマンドは下記の通りです。

> Pbox2223.MIL <- subset(Pbox2223, Team=="Milwaukee Bucks" & MIN>=500)
> barline(data=Pbox2223.MIL, id="Player", bars=c("P2M","P3M","FTM"), line="AST", order.by="MIN", labels.bars=c("P2 Made","P3 Made","FT Made"), title="出場時間順のシュート成功数とアシスト数: Milwaukee Bucks")

データセットPbox2223.MILの出力は下記の通りです。

ゴールデンステイト・ウォリアーズ

グラフの出力は下記のようになります。

上記のグラフから、おおまかには下記の点が読み取れるかと思います。

  • ジョーダン・プールとステフィン・カリーは、シュート成功数とアシスト数の両方で貢献している。
  • ドレイモンド・グリーンは、アシスト数での貢献が大きく、アシストに特化している傾向がある。
  • クレイ・トンプソンはシュート成功数、特に3Pシュート成功数で貢献している

なお、グラフを出力するためのコマンドは下記の通りです。

> Pbox2223.GSW <- subset(Pbox2223, Team=="Golden State Warriors" & MIN>=500)
> barline(data=Pbox2223.GSW, id="Player", bars=c("P2M","P3M","FTM"), line="AST", order.by="MIN", labels.bars=c("P2 Made","P3 Made","FT Made"), title="出場時間順のシュート成功数とアシスト数: Golden State Warriors")

データセットPbox2223.GSWの出力は下記の通りです。

ダラス・マーベリックス

グラフの出力は下記のようになります。

上記のグラフから、おおまかには下記の点が読み取れるかと思います。

  • カイリー・アービングは、シュート成功数とアシスト数の両方で貢献している。
  • アシストに特化しているプレイヤーがいない。
  • ルカ・ドンチッチの出場時間が最長であり、シュート成功数とアシスト数も最多であることからオフェンス面での負担が集中している。

なお、グラフを出力するためのコマンドは下記の通りです。

> Pbox2223.DAL <- subset(Pbox2223, Team=="Dallas Mavericks" & MIN>=500)
> barline(data=Pbox2223.DAL, id="Player", bars=c("P2M","P3M","FTM"), line="AST", order.by="MIN", labels.bars=c("P2 Made","P3 Made","FT Made"), title="出場時間順のシュート成功数とアシスト数: Dallas Mavericks")

データセットPbox2223.DALの出力は下記の通りです。

散布図の作成<ルカ・ドンチッチの位置に注目>

最後に、上記4チームのスタッツをまとめた散布図を下記に示します。

横軸はシュート成功数、縦軸はアシスト数の数値を表示し、チーム別で色分けをしています。

上記の散布図を確認すると、ルカ・ドンチッチはシュート成功数とアシスト数がともに高水準であり、その位置からオフェンス面での負担の大きさをうかがうことができます。

前述した4チームのグラフを改めて確認すると、出場時間、シュート成功数、アシスト数がともにチームの中で最多となっているプレイヤーはルカ・ドンチッチのみとなっています。

どんなに優れた選手であっても、限られた試合時間の中で達成できるシュート成功数とアシスト数には限界があります。

2022–23シーズンにおけるダラス・マーベリックスの状況下では、 ルカ・ドンチッチのシュート成功数とアシスト数が上限に達してしまい、その個人における上限がチームの上限にすり替わった可能性があると思われます。

ダラス・マーベリックスと他の3チームの相違点は、比較的アシストに専念してプレイが出来るプレイヤーの存在の有無でした。

他にも要因は考えられますが、この点を解決できれば、ダラス・マーベリックス の獲得点数とアシスト数が他の3チームに比べて少ないという現象も解消できる可能性があると思われます。

なお、散布図作成の際のデータの結合とプロットを出力するためのコマンドは、下記の通りです。

> Pbox2223.BMGD <- rbind(Pbox2223.BOS, Pbox2223.MIL, Pbox2223.GSW, Pbox2223.DAL) #rbindで4チームのデータを結合
> ggplot(data=Pbox2223.BMGD, aes(x=P2M+P3M+FTM, y=AST, color = Team, label=Player)) +
+        geom_point() +
+        ggrepel::geom_text_repel(aes(label = Player))+
+        labs(title = "FG, FT Made and AST (BOS, MIL, GSW, DAL)")+
+        labs(x = "FG and FT Made") +
+        labs(y = "AST")

おわりに

今回は、シュート種類別の獲得点数の構成から確認して、プレイヤー別のシュート成功数とアシスト数の関係の分析へと進めました。

2023–24シーズンでは、ダラス・マーベリックスがチームとしてのバランスをどのように保っていくのかも注目していきたいと思います。

今回はオフェンス面のみの分析にとどまりましたが、攻守両面からの解釈が大事だと思いますので、ディフェンス面の分析もまたの機会に行いたいと思います。

なお、本記事は、記事の最後に紹介している書籍を参考にして作成しています。

それでは、今回のトラッシュトークは以上です。

【参考書籍】

Paola Zuccolotto and Marica Manisera (2020), Basketball Data Science – with Applications in R. Chapman and Hall/CRC. ISBN 9781138600799.
※本書籍の紹介記事を書いていますので、よろしければご参考ください。

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